トランプ祭へようこそ

下の子が生まれてから、と言うより私のお腹に来て以来、上の子は不満を抱えている。

 

「お母さんが私と遊んでくれない」

 

すまぬ、すまぬ…と謝り倒しながらつわりで入院し、退院しても自宅療養。

へろへろになりながら仕事をし、上の子の世話もそこそこに先んじて寝落ちする体たらく。

産んだ後は案の定下の子と共に気絶の如く寝落ちの日々で、里帰りから帰宅すれば上の子本人は保育園。

だが彼女は諦めなかった。

授乳中のお母さんにプレゼンよろしくお絵描きや工作の解説をし、下の子が寝た隙にお風呂で話す。

そんな生活を半年以上続け、彼女はようやくお母さんを独占する機会を得た。

 

下の子の「慣らし保育」である。

 

復職まで間はあるが、年度途中での入園が絶望的なので4月から下の子を預けざるを得ない。

そして上の子本人は小学校入学まで1週間ほど暇である。

 

「トランプやろう」

 

そう言ってプリキュアのトランプを切り、ババ抜きジジ抜き神経衰弱7並べと、保育園で学んだゲームをお母さんとやり続ける。

しかしお母さん…つまり私は思った。

ふたりだと手の内が読めてつまらない、と。

 

「ぬいぐるみも参加させよう」

「ワンコ連れてくる(*゚∀゚*)」

 

犬のぬいぐるみへもカードを配り、一人二役でジジ抜きをした。

このワンコのおかげでゲーム性が格段にアップした。

先の読めない展開に上の子も大喜びである。

 

今夜は満足そうな顔でおやすみの挨拶をし、布団へ潜り込んで行った。

私も楽しかったよ。