なぜか全くぶつからない相手

今週のお題「おかあさん」

 

私にとっての母は、タイトル通りの人だ。

父とぶつかり過ぎて相対的に平和な気がしているだけのように見えて、その実本当にぶつからないのである。

 

私はわがままで甘ったれだがプライドの高い面倒くさい奴だ。

こんな娘とぶつからない母は菩薩か女神かと思われるかも知れない。

しかし、その実態は旅館の女将さんが一番近い。

 

女将さんである母は、お客であるところの子供や孫の世話をなんだかんだで焼いてくれる。

ご飯は美味いしさり気なくサポートしてくれるし孫の遊びにもニコニコ付き合ってくれるんだからすごい。

嫌ならさらっと離脱するので周りをムッとさせることもない。

常に半歩引き周りを観察しつつ次に何をすべきか判断している。

割と論理的だ。

感情的にキエェェェァア‼︎となることはまず無い。

だって女将だし。

 

孫たちや父が寝静まると、おもむろに座布団へ寝転がり録画したドラマを再生する。

そして開始10分で寝入る。

観ないなら止めるよ?と声を掛けると観てる!と言って巻き戻す。

いやいや、それ観てなかったって事だよね⁈

私、そのシーン観るの3回目だよ\(^o^)/

女将の束の間の休息なので、好きに過ごせばいいんじゃないかな…と思って適当に相槌うって引っ込むことにしている。

触らぬ女将に祟りなし'。

 

母の適度なドライさに思春期の頃は救われた。

こちらがどんなに悩んで泣き喚いても同調することなく話を聞いて整理してくれたからだ。

モヤモヤのぐちゃぐちゃでどうにもならない!と思っていても、何だかんだで折り合いをつけられた。

母にとって私は1人目の子で何もかもが初めてで、試行錯誤だっただろう。

自分で言うのも何だが、優等生で手がかからない反面、メンタル的に面倒な子ではあったので兄弟たちより気を使う場面が多かったと後に聞いた。

正直すまんかった٩( ᐛ )و

 

一般的な良き母からは一線を画す私の母。

うちのカーチャン普通じゃねーな!とは兄弟の言。

息子が部活で活躍したら黄色い声援を送る母親ばかりの中、我々の母は静かに観戦するばかり。

役員に当たればきっちりやるけど保護者同士の付き合いめんどくさなのが子供にはダダ漏れだった。

こちらもそれが分かっているので母をサラッと帰らせる。

進学で親元を離れても用事がなければ全く来ない。

興味関心が無いのではない。

「一人暮らししてるんだから自分のことは自分でやりな、困った時は助けるから。」

そう言うスタンスである。

母からの支援物資は毎回楽しみだったなー。

好物がしれっと揃っていて、さすが女将分かってるぅ‼︎と涙した。

 

グダグダと書き連ねたが、一風変わった母だが私はこの人が大好きである。

言ったことは多分ない。

これからも多分言わない。

私は面倒くさい娘のままでいてやろう。

そう思っている。